bmb10150’s blog

yahooから移行記事を含む雑談

またベスト・エッセイ

表紙絵が優しすぎるが、2020年版。

女性作家のエッセイは、相変わらず切れが良い。

しかし、高橋源一郎氏『幻の女』がよくできた話だった。

Aという真面目な作家が、伝言ダイヤルで銀座のクラブの女と知り合うが、

突然、女は行方をくらまし、知り合った資生堂パーラーもそのクラブも

跡形もなく消えてしまっていた、という話。

懇意になった女が跡形もなく消えてしまった話はほかにも

ふたりから聞いているそうで・・・・

この話の何がよかったかと言えば、

現実には謎なんてものはなくて、気のせいであり、

夢のようなことであったとしても過去は過去、

前を向いて気持ちを切り替えたほうがよいことは、

たくさん思い当たるなあと感じられたこと。

それとA氏の体験がスピード感のある文章で描かれていたこと。

2020年版も故人をしのぶエッセイは多かった。

それも過去のこととして

前を向いたほうがよい気もする。